コーヒー大事典

コーヒーができるまで

コーヒーの美味しさを知るために、
ぜひ植物としてのコーヒーにもご注目ください。

コーヒーの木を知っていますか?

コーヒーの花と実
コーヒーの花を見れるのは2日間

コーヒーの木をカタカナで<コーヒーノキ>と書けば、それが正式な日本語名称。アカネ科に属する常緑樹です。コーヒーの木は10メートルもの大きさに育つものもありますが、産地では収穫しやすいよう、2メートル以内で栽培することが多いようです。

コーヒー豆は木の実ですから、花が咲いた後に実ります。コーヒーの花は、コーヒー豆からはちょっと想像できないような、白くて小さな愛らしい花です。5つの花弁があり、ジャスミンのような良い香りがします。作家・林芙美子は「花の命は短くて〜」と書きましたが、コーヒーの花はまさにその通り。
ブラジルの農園では、開花の時期になるとコーヒーの花が一斉に開花し、農園がまるで雪景色のように真っ白に染められます。とても幻想的な光景ですが、その美しさを楽しめるのはわずかな時間。2日後には、まるで雪が溶けるように散ってしまうそうです。

ブラジルに住んでいる人でさえ、どこかの農園で「コーヒーの花が咲いた」と聞けば、すぐに飛行機で飛んでいかないと見逃してしまうといいます。コーヒーの花は、それくらい見るのが難しい花なのです。

開花期間はほぼ2日間。見るのが難しいいわば幻の花

コーヒーの実は、最初は緑色

コーヒーの花が散ると、その後に緑色の小さな実がなります。その実は大きくなるにつれ黄色くなり、さらに熟すと赤く変化。完熟すると真紅色になります。この、完熟したコーヒーの実がさくらんぼに似ていることから、<コーヒーチェリー>とも呼びます。

収穫した実の中を見てみると、一つの実の中にコーヒーの種が2つ、向かい合わせに入っています。しかし、枝の先にできたコーヒー豆の場合、種が一つしか入っていないことも。また、まれに3つの種が入っていることもあります。

赤く熟すとさくらんぼに似ていることから、コーヒーチェリーと呼ばれます。

赤く熟すとさくらんぼに似ていることから、コーヒーチェリーと呼ばれます。

コーヒーの生育条件
コーヒーを育てる4つの条件

コーヒーの木は育てるのが非常に難しい植物です。以下の4つの条件を満たした環境でないと、うまく育ってくれません。

降雨量コーヒーの木の生育に必要な降雨量は年間1800mm〜2500mm。特別多くも少なくもない降雨量ですが、重要なのはその時期。成長期に雨が多く降り、収穫期には乾燥している、つまり雨季と乾季がある環境が必要です。

日当たりコーヒーは日光を好む植物であるにもかかわらず、日当たりが強すぎると元気がなくなってしまいます。そのためコーヒーの産地では、コーヒーの木のそばに少し背の高い木を植えて、日差しを和らげているそう。コーヒー木のために日陰を作ってくれる、この背の高い木のことはシェイドツリーと呼ばれています。

コーヒーの木は日差しが強すぎても育ちません。

コーヒーの木は日差しが強すぎても育ちません。

温度ブラジルやアフリカで育てられていることから、灼熱の中で育つイメージがあるかもしれませんが、実はコーヒーの木の生育に適しているのは、年平均20℃ほどの地域。夏の避暑地のような過ごしやすい温度であることが求められるのです。

土質土質は肥沃で水はけが良いことが重要。かつ少し酸性の土壌の方が、コーヒーの木の生育には良いようです。

4条件を満たす土地とは

上に挙げた、降雨量・日当たり・温度・土質という4つの条件を満たす地域とは、どこでしょうか。それは、地球の赤道直下から、南北の回帰線(太陽が最も北または南になる時の緯線)までのエリアとなります。緯度で言うと、北緯25度から南緯25度の間となります(下の世界地図の、赤い帯になっているエリアです)。ここがまさにコーヒーの木の生育に適したエリアで、<コーヒーベルト>と呼びます。

世界地図で見ると、コーヒーベルトに位置する国々は、かなり暑い土地という印象が強いですが、そのような土地においても、山や高地では平均温度はぐっと下がります。

また、山の高いところでは昼間と夜間の温度差が大きくなり、コーヒーの木が温度変化から身を守るためにぎゅっと身を引き締めることで、コーヒー豆も堅くなり、味わい深いコーヒーにつながるとされています。

コーヒーの産地
アメリカ大陸周辺の生産国

まず南北アメリカ大陸とその周辺のコーヒー産地を見ていきましょう。

コーヒーの最大の生産国は南米のブラジルで、世界で消費されるコーヒーの約3分の1が収穫されます。ブラジルのサントス港から出荷される<ブラジル・サントス>は、雑味のない香ばしい風味が特徴です。

ブラジルの北、中米のコロンビアは、収穫量が世界第三位。コロンビアで取れるコーヒー豆は、やわらかい酸味と豊かな風味が特徴。味わいのバランスが良く、マイルドコーヒーの代表格です。また、コロンビア周辺のグアテマラ、コスタリカ、ホンジュラス、メキシコ、ペルーなどでも、コロンビアに似た高品質なコーヒーが収穫されます。

さらにカリブ海に浮かぶ島国、ジャマイカでもコーヒーが採れます。ジャマイカにはブルーマウンテンと呼ばれる山があり、そこで収穫されたコーヒーが、有名な<ブルーマウンテンコーヒー>です。

広大な国土を持つアメリカでコーヒーの木を栽培しているのは、意外にもハワイ州のみ。ハワイで採れるコーヒーは、爽やかで豊かな酸味と甘い香りが特徴です。

アメリカ大陸周辺の生産国

産地をクリックすると説明のページにリンクします。
(一部対応していない産地がございます)

アフリカ・アジアの生産国

次にアフリカ大陸に目を向けてみましょう。まずコーヒー発祥の地、エチオピアははずせません。エチオピアで採れるコーヒーは「モカ」と呼ばれ、フルーツのような甘酸っぱい香りが特徴です。

エチオピアの南には、ケニアとタンザニアという二つの国があります。そして、タンザニアの、ケニアとの国境近くに、かの有名なキリマンジャロ山があります。このキリマンジャロ山の裾野で採れるのが<キリマンジャロコーヒー>。強い酸味とコク、甘い香りが特徴です。ケニアでも、キリマンジャロコーヒーと同様の、素晴らしい品質のコーヒーが採れます。

アジアへ目を移すと、収穫量世界第二位のベトナムが目に入ります。ベトナムのコーヒーは、苦味と渋み、香りが強い一方で、酸味が控えめであることが特徴です。

また、インドネシアのスマトラ島では、独特の苦味と風味、滑らかな味と濃厚なコクが楽しめる<マンデリンコーヒー>が採れます。

また、同じインドネシアのジャワ島では、<ジャワロブスタ>が有名。ちなみにインドネシアは、収穫量世界第四位です。

ベトナムやインドネシア以外にも、インドやパプアニューギニアも、重要なコーヒーの産地として成長しつつあります。

アフリカ・アジアの生産国

産地をクリックすると説明のページにリンクします。
(一部対応していない産地がございます)

日本国内でもコーヒー豆を生産しています

鹿児島県奄美群島の徳之島は、日本国内でコーヒーの生産ができる、数少ない地域の一つ。年間平均気温が21.9℃で、温暖多雨であることから、コーヒー木の栽培に適しています。

まだ流通に載るほどの収穫はありませんが、台風被害や土壌など、さまざまな課題を抱えながらも、美味しい国産のコーヒー豆の供給を目指し、日々奮闘しています。

コーヒー豆の収穫からブレンドまで

コーヒーの収穫
手摘みと機械、二つの収穫方法

コーヒーの育成は、まず種となる種豆を苗床やポットに植えて、発芽させるところから始まります。

発芽した種豆は、6ヶ月ほどで農園に定植。順調に育てば約3年半で人の腰くらいの高さまで生育し、成木となります。成木になったコーヒーの木は、やがて白い花を咲かせ、その後に緑色の実を付けます。これがコーヒーの実です。

実は数ヶ月かけて熟成し、赤く色づいたら収穫のタイミング。熟した実は、その外見から<コーヒーチェリー>とも呼ばれます。

成木となったコーヒーの木は、その後、人の背ほどに大きく育ち、それに合わせて収穫量も増加。約6年~10年の間が収穫のピークとなります。ピークを過ぎると、収穫量は徐々に減っていくのが一般的です。

豆を手摘みする場合、赤く完熟した実のみをとっていきます。

豆を手摘みする場合、赤く完熟した実のみをとっていきます。

コーヒーの実を収穫する際には、大きく<機械摘み>と<手摘み>の2つの方法があります。<機械摘み>は、コーヒーを収穫するための専用の機械で、効率良く摘み取る方法です。

この機械は、ガソリンスタンドにある洗車機を縦長にしたような形状で、人の背ほどあるコーヒーの木をすっぽり覆うほどの大きさ。

内部では、洗車機と同様に、金属製の細い棒が無数についたブラシのような装置が回転し、コーヒーの枝をしごくことで実を収穫します。ただ、この機械は平坦な土地でしか使用できないという難点も。

もう一つの収穫方法である<手摘み>は、文字通り、人の手一つひとつ摘み取っていく方法です。機械摘みよりも丁寧に収穫することができます。

有名な産地の一つであるコロンビアでは、コーヒー農園の多くが勾配のきつい山中にあることから、収穫に機械を使うことはできず、手摘みが中心です。

降り注ぐ日差しのもと、山岳地帯の急な斜面での収穫作業は非常に過酷ですが、完熟した豆だけを一つひとつ、手間をかけて丁寧に収穫するコロンビア産のコーヒーは、数あるコーヒー豆の中でも多くの愛好者がいます。

一方で、広大なブラジルの農園で手摘みする際は、未熟成の緑色の豆も一緒に収穫することが多いそう。これは、ブラジルの農園は広大なため、一つひとつ成熟した豆を選びながら収穫していては作業が終わらないから。

コーヒー豆の収穫方法にも、それぞれのお国柄が伺えるのは面白いですね。

コーヒーの精選
コーヒーの精選(せいせん)とは?

私たちが一般的にコーヒー豆と呼んでいるのは、コーヒーの実(コーヒーチェリー)の中の、種の部分です。

収穫したコーヒーチェリーから、果肉や外皮などを取り除き、コーヒー豆(生豆)だけを取り出す作業を、コーヒーの精選処理と言います。

精選処理には、大きく分けて2種類の方法があります。一つは<自然乾燥法>、もう一つは<水洗処理法>です。

天日で乾燥させる自然乾燥法

自然乾燥法は、水洗処理法に比べシンプルで簡単な精選方法です。収獲したコーヒーチェリー(生豆)を地面に広げ、太陽の光で乾燥させます。

大部分の水分が蒸発したら、巨大なドラム型洗濯機のような乾燥機に入れ、熱風によって仕上げます。

コーヒーチェリーが十分に乾燥したら、脱穀機にかけ、果肉や外皮などを取り除き、生豆が取り出されます。

自然乾燥法で精選を行う代表的な国がブラジル、インドネシア、エチオピア、ベトナムなど。自然乾燥処理の場合、作業工程が単純で、設備投資も少ないので、低コストで生産できるというメリットがありますが、同時にデメリットもあります。

乾燥時に天気が良好だといい品質のコーヒー豆になるのですが、天気が悪いと一部が発酵したり、黒く変色してしまったりすることがあるのです。また、土と混ざって土味が豆についてしまうというリスクも否めません。

カフェや喫茶店でナチュラルやナチュラル製法などの表記があるコーヒー豆はこの自然乾燥法で作られたコーヒー豆です。

自然乾燥法

自然乾燥法

水で洗い流す水洗処理法

水洗処理法では、まず、収穫したコーヒーチェリーを専用の機械に通し、皮を剥きます。機械から出てきた豆は、周りにぬるぬるした甘い果肉がついた状態です。

これを水が張られたプールに入れて一晩置くと、酵素の働きで果肉が分解され、豆から綺麗に果肉がはがれるようになります。この際、水の管理を怠ると、雑菌や発酵の際のにおいがついてしまうため、細心の注意が必要です。

一晩水に浸けたコーヒーチェリーを、プールから出してきれいに水洗いすると、果肉は完全に除去されます。

これを乾燥すると、やや固い内果皮(パーチメント)に包まれた状態のコーヒー豆ができあがります。これを<パーチメントコーヒー>と呼ばれます。お米でいうところの玄米の状態と言ったら、分かりやすいでしょうか?パーチメントは、コーヒーを楽しむ際には除去しなければなりませんが、じつはパーチメントがついたままの状態の方が、コーヒー豆が傷みづらく、保存性が高いのです。

ですから、収穫から出荷までの時間が長い場合は、通常この<パーチメントコーヒー>の状態で保管し、輸出される直前に、脱穀作業を行ってパーチメント除去します。

カフェや喫茶店でウォッシュドやウォッシュド製法などの表記があるコーヒー豆はこの水洗処理法で作られたコーヒー豆です。

水洗処理法

水洗処理法

コーヒーの選定
良質な豆だけを選んでいきます

自然乾燥法や水洗処理法を経て取り出した生豆(なままめ)は、各国の選別基準で選定され、各コーヒーの規格に合わせてグレーディングされます。

選定基準は、大きく、生豆の大きさ、生豆の比重、生豆の色の3つ。

まずは、精選を終えた生豆を、工場でふるいにかけ、同じサイズの生豆に分別します。次に分別した生豆の中から、大きさの割に軽い生豆や、一部が欠けている生豆、さらに小枝や金属片などの異物を除去。しっかりと中身の詰まった重い生豆だけを選別します。

最後のチェック項目が生豆の色。通常、このような処理を経た生豆は、適切に処理されていれば、淡い緑色をしています。ところが、処理中に発酵してしまった生豆は茶色や黒色に変色してしまいます。また、コーヒーチェリーとして収穫する際に、しっかりと完熟していない、青い実の状態で収穫されてしまった実から取り出された生豆は、濃い緑色になります。

輸出を待つ精選された豆

輸出を待つ精選された豆

生豆の大きさや比重のチェックを通過した生豆を、最後に色彩でチェックし、状態の悪い生豆を取り除くことで、美味しいコーヒーが作られるのです。

最後の生豆の色の選定については、最近では電子選別機という機械が活用されています。この電子選別機は、処理の終わった生豆の色を一粒一粒センサーでチェックし、正常でない色の生豆を自動的に除去します。また、最高級のコーヒーでは、人間が一粒一粒、生豆を目視でチェックするハンドピックという手法が取られることもあります。

こうして選別された生豆は、麻袋に詰められたり、直接コンテナに収められて、生産国から、日本をはじめとする輸入国へと運ばれてくるのです。

コーヒーの品種と特徴
世界のコーヒー豆の2大品種

コーヒーの木は、学術的には<アカネ目アカネ科コーヒーノキ属>に属する植物です。そして、お米にインディカ米とジャポニカ米があり、それぞれ風味が異なるように、コーヒーの木にも品種があります。

大きく分けると<アラビカ種>と<ロブスタ種(正確にはカネフォーラ種の亜種)>の2種類。そして、コーヒーの木の品種が違うと、味や香りにも違いが現れます。

花のような甘い香りを持つアラビカ種

現在、世界のコーヒー豆生産量の、約6割を占めるのがアラビカ種です。原産地はアフリカのエチオピア。標高1,000m~2,000mの熱帯高地での栽培に適した品種で、霜や乾燥、病害虫などに弱いため、栽培には大変手間暇がかかります。

アラビカ種の豆で淹れたコーヒーは酸味が強く、花のような甘い香り(フローラル)が楽しめます。また、アラビカ種の中にも、さらに細かい亜種があり、味や香りが微妙に異なります。

特に<ティピカ><ブルボン>といった昔からある品種(在来種といいます)は、香りの質やコク、クリーンさに優れていますが、一本の木から採れるコーヒー豆の収穫量が少ないため、栽培数は減少しています。

一方で、手入れがしやすい低木で、なおかつコーヒー豆の収穫量が多い<カツアイ>の栽培が増え、現在の主流になってきています。

苦みの強いロブスタ種

もう一つのメジャーな品種がロブスタ種です。アラビカ種に比べて病気に強く、標高300m〜800mの、比較的低い土地で育つため、栽培が容易。アラビカ種よりも丸みを帯びた豆が収穫されます。ロブスタ種のコーヒー豆で淹れたコーヒーは苦味が強く、渋みがあるほか、麦茶に似た香ばしい香りが特徴です。

コーヒーの実

コーヒーの実

コーヒー豆の種類
生産地によって、コーヒー豆に<個性>が生まれる

アフリカ大陸から広がり、今では世界60数カ国で生産されているコーヒー。ブラジル、コロンビア、エチオピア、ケニア、グアテマラ…有名な生産国はたくさんありますが、その生産国の多くは、北緯25度から赤道をはさんで南緯25度までの、すなわち北回帰線と南回帰線の間の、帯状のエリアに集中しています。そのため、このエリアはコーヒーベルトと呼ばれています。

収穫の項でもご紹介しましたが、コーヒー豆の栽培は、生産地の気候や地形、栽培環境に合わせた方法で行われています。

その環境や栽培方法の違いが、コーヒー豆の形や香り、コーヒーにして淹れた時の味わいの違いを生み出し、それが産地ごとのコーヒーの<個性>となります。苦味、酸味、甘み、香り…産地ごとに異なるコーヒーの違いを楽しむ、ということは、このユニークな風味=個性を楽しむことに他なりません。

焙煎されたコーヒー豆

品種名産地・特徴
メキシコ

メキシコ産のコーヒー豆

酸味と香りがともに適度で、やわらかい上品な味が特徴的です。
ブルーマウンテン

ジャマイカ産のコーヒー豆

すべてのコーヒーの良さをあわせ持つと言われる、バランスの良いコーヒーです。
クリスタル
マウンテン

キューバ産のコーヒー豆

酸味と苦みのバランスがとれた上品な味が人気で、最高級品と言われています。
コスタリカ

コスタリカ産のコーヒー豆

芳醇な香りと適度な酸味が混ざりあい、上品な味がします。
コロンビア

コロンビア産のコーヒー豆

甘い香りとまるい酸味と、まろやかなコクがあります。
ベネズエラ

ベネズエラ産のコーヒー豆

軽い酸味とやや独特の苦み、そして適度な香りがあります。
ブラジル・
サントス

ブラジル産のコーヒー豆

中庸な味、香りが高く適度な酸味と苦味があります。
ハワイ・コナ

ハワイ産のコーヒー豆

強い酸味と甘い香りがあります。
モカ

イエメン・エチオピア産のコーヒー豆

フルーツのような甘酸っぱい香りと、まろやかな酸味とコクがあります。
ケニア

ケニア産のコーヒー豆

強い酸味が大きな特徴。キレがあり、後味もすっきりしています。
キリマンジャロ

タンザニア産のコーヒー豆

強い酸味と甘い香りと豊かなコクがあります。
マンデリン

インドネシア産のコーヒー豆

コクのあるやわらかな苦味と、上品な風味があります。
コーヒーの焙煎
コーヒーに風味と香りを与える焙煎(ばいせん)

コーヒー豆と聞くと、あの茶色い色や、香ばしい香り、苦味や酸味などが連想されますが、収穫・精選して生まれるコーヒー生豆(生豆)には、あの風味はありません。

色は淡い緑色で、匂いも青っぽいだけ。収穫・精選されたコーヒー生豆は<焙煎(ばいせん)>という工程を経ることで、はじめて皆さんが連想する、あのコーヒーの色、味、そして香りが生まれるのです。

焙煎の仕方で味は変わる

一般にコーヒーと聞いて連想する、あの香りや味の成分は、主にコーヒーの生豆に含まれるアミノ酸と糖類の反応によって生まれます。そして、同じ豆であっても、焙煎の仕方を変えると、その味や香りは大きく変わります。

一般的に、焙煎をすればするほど甘みと苦味が増し、酸味は減少します。前の項で、生産地によってコーヒーの風味が異なることをご説明しましたが、その産地特有の香りは、一般的に焙煎が浅めから中煎り(ちゅういり)のところで際だちます。そして焙煎が深くなると、カラメルやチョコレートといった焙煎由来の風味が強くなり、産地特有の風味は弱くなっていきます。ですから、焙煎は豆の特徴に合わせて行う必要があるのです。

たとえば、コロンビアコーヒーなら、浅煎り(あさいり)では、酸味が強く感じられますが、焙煎を深くしていくと酸味は少なくなり、苦味が強くなっていきます。

一方で、コロンビアコーヒーの特徴である、花のような甘い香り(フローラル)は、浅煎りの段階では、あまり強くあらわれず、中煎りの時に、際だちます。さらに焙煎を深くすると、今度は焙煎臭(ばいせんしゅう)が強まり、甘い香りは隠れてしまいます。

コーヒー豆の生産地はどこか、コーヒーをどのように仕上げたいのかによって、焙煎の方法を調整する必要があるのです。

生豆を火力で煎る焙煎作業

生豆を火力で煎る焙煎作業

味覚のプロ<カップテイスター>

コーヒーの世界には、産地、銘柄ごとの品質などを見極めることができる「カップテイスター」と呼ばれる専門職がいます。彼らは、さまざまなコーヒー生豆の特徴を知りつくし、どのぐらいの焙煎を行うと、味や香りを最大に引き出すことができるかを熟知しています。AGF®がお届けするコーヒー製品も、カップテイスターによって吟味をしております。

生豆

生豆(なままめ)コーヒー豆は、生豆のまま煎じて(せんじて)飲んでも、風味がなく青臭いだけです。火で煎ることによって、コーヒーの魅惑的な琥珀色、かぐわしい豊かな風味が引き出されます。

浅煎り

浅煎りうすくシナモン色<薄茶色>がついた程度の段階です。味は酸味が強く苦味はほとんどありません。アメリカンコーヒー向きです。

中煎り

中煎り色が茶褐色になってきます。最も一般的なローストで、市販の豆の多くがこのタイプです。酸味と苦味とのバランスもよく、コクと甘みがあります。

深煎り

深煎り(ふかいり)色は黒みをおびてきます。酸味はほとんど感じられず、苦味と香ばしさが強くなります。エスプレッソコーヒーやアイスコーヒーなどに向いています。

コーヒーのブレンド
数種類の豆を混ぜ合わせるブレンド

収穫><精選><焙煎>などのページでご説明したとおり、コーヒー豆の産地によって、そこから生まれるコーヒーの味や香りは異なります。また、同じ産地のコーヒー豆であっても、焙煎(ばいせん)の仕方を変えると、その風味は大きく変化します。つまり、産地と焙煎方法の組合せによって、コーヒーのフレーバー・バリエーションは非常に多くなるのです。これをたくみに組み合わせて、複雑な味わいを生み出す作業が<ブレンド>です。

ブレンドされたコーヒー豆

ブレンドの3つの目的

ブレンドには大きく3つの目的があります。

1)各豆が持つ特徴、良さを引き出す。
2)飲み物としての、味や香りの調和をはかる。
3)飲む人の好みに合った風味・香りに仕上げる。

たとえば、キリマンジャロコーヒーはフローラルな甘い香りが強く、味わいにもコクがあります。しかし酸味もかなり強いため、酸味が苦手な方にはくせが強すぎて飲みにくい品種です。

ここに、ブラジルなどの酸味が控えめの品種をブレンドすることで、キリマンジャロコーヒーのフローラルな甘い香りとコクを生かしながら、酸味が抑えられた、味わいのバランスが取れたコーヒーが生まれます。

ブレンドをするタイミング

焙煎をする前にブレンドをするか、焙煎をした後にブレンドをするか、によっても味わいは大きく異なります。

焙煎をする前にブレンドをする場合、一度に焙煎を行うため、工程がシンプルに思われますが、常に安定した美味しさを生み出すためには、 その日のそれぞれの豆の状態を見極め、全体に焼きムラが無いよう、焙煎の度合いを判断していくプロの焙煎技術が必要になります。
焙煎をした後にブレンドをする場合、コーヒー生豆の個性に応じて、それぞれのコーヒー生豆が持つ特徴を最大限に生かすことができる焙煎方法で焙煎し、出来上がったコーヒー豆をブレンドしていきます。それぞれに焙煎度合いが異なる豆をバランスの取れた味わいになるようブレンドをする。こちらもやはり、プロのブレンド技術が必要になります。

AGF®では、製品ごとにターゲットの品質になるよう、ブレンドをするタイミングを使い分けて製品化を行っています。

このように、それぞれのコーヒー豆の個性を生かしながら、新たな味わいを生み出すのが、「ブレンド」なのです。

コーヒーの豆知識
ブレンドコーヒーとは?ストレートコーヒーとの違い

それぞれの豆の良さを生かしながら、数種類の豆を混ぜ合わせるブレンド。このブレンドという過程を経たコーヒーが「ブレンドコーヒー」です。2種類以上の豆を組み合わせ、風味を調和させることで、1種類のコーヒー豆だけでは実現できない、複雑な味わいを楽しめます。

逆に、1種類の焙煎豆(ばいせんまめ)のみで作るコーヒーを「ストレートコーヒー」といいます。現在、日本でストレートコーヒーとして飲用されているのは「ブルーマウンテン」「モカ」「キリマンジャロ」「マンデリン」などが中心です。ストレートコーヒーは1種類の豆だけを使って淹れられることから、その産地独特の味や香りが、強く際だちます。

コーヒーの製造法

レギュラーコーヒー・ドリップコーヒー
焙煎

コーヒーの生豆(なままめ)を火で煎り、旨味を引き出す作業です。この作業は<焙煎(ばいせん)>、<ロースト>とも呼ばれます。
コーヒー豆は生豆の状態では薄い緑色をしていますが、焙煎することで、私たちが普段目にするような茶褐色のコーヒー豆になります。同時に、焙煎を通じて熱を加えることで、コーヒー豆の持つ美味しさが引き出されます。焙煎の温度や時間によって、その味わいも変化します。

ブレンド

数種類の、異なるコーヒー豆を混ぜ合わせる作業です。異なる味わいのコーヒー豆をブレンドすることで、1種類のコーヒー豆だけでは出すことができない香りや、酸味・苦味などの味わいを作り出すことができます。どのような味わい・香りを作り出すことを目指して、どの豆をどれくらいブレンドしていくかは、コーヒー会社の腕の見せどころです。

グラインド
グラインド

それぞれに焙煎され、ブレンドされたコーヒー豆を、粉砕機で細かく砕く作業です。豆の砕き方にも粗挽(あらびき)、中挽(ちゅうびき)、細挽(ほそびき)など、程度の違いがあり、商品の性格や、狙った味わいに向け、調整します。

充てん・包装
充てん・包装

できあがったレギュラーコーヒーを袋詰する作業です。グラインドが済んだコーヒー豆を、専用の機械でパッケージに詰め、しっかりと包装することで、普段私たちが店頭で目にするレギュラーコーヒーの姿になります。

レギュラーコーヒー

商品詳細

ドリップコーヒー

商品詳細

インスタントコーヒー
焙煎

コーヒーの生豆(なままめ)を火で煎り、旨味を引き出す作業です。この作業は<焙煎(ばいせん)>、<ロースト>とも呼ばれます。
コーヒー豆は生豆の状態では薄い緑色をしていますが、焙煎することで、私たちが普段目にするような茶褐色のコーヒー豆になります。同時に、焙煎を通じて熱を加えることで、コーヒー豆の持つ美味しさが引き出されます。焙煎の温度や時間によって、その味わいも変化します。

ブレンド

数種類の、異なるコーヒー豆を混ぜ合わせる作業です。異なる味わいのコーヒー豆をブレンドすることで、1種類のコーヒー豆だけでは出すことができない香りや、酸味・苦味などの味わいを作り出すことができます。どのような味わい・香りを作り出すことを目指して、どの豆をどれくらいブレンドしていくかは、コーヒー会社の腕の見せどころです。

グラインド
グラインド

それぞれに焙煎され、ブレンドされたコーヒー豆を、粉砕機で細かく砕く作業です。豆の砕き方にも粗挽(あらびき)、中挽(ちゅうびき)、細挽(ほそびき)など、程度の違いがあり、商品の性格や、狙った味わいに向け、調整します。

抽出
抽出
(ちゅうしゅつ)

細かく砕いたコーヒー豆から、コーヒーの成分を取り出す作業です。砕いたコーヒー豆を抽出機(ちゅうしゅつき)という装置に入れ、熱湯を注ぎ、コーヒー液を作ります。コーヒー液には、砕いたコーヒー豆からコーヒーの成分が溶け出します。

真空凍結乾燥
(フリーズドライ製法)

凍結・粉砕
(ふんさい)
凍結・粉砕
真空凍結乾燥
真空凍結乾燥

まず、コーヒーの旨味が溶け込んだコーヒー液を、専用の機械(フリーズベルト)に乗せてマイナス40℃の冷凍庫で凍らせて板状にします。凍らせたコーヒー液を細かく砕いた後、真空乾燥機でゆっくりと水分を取り除きます。フリーズドライ製法は、真空で低温のまま乾燥させるため、高温にさらされることなく風味や香りをさず保つことができます。

充てん・包装
充てん・包装

出来上がったインスタントコーヒーを、袋やビンなどに充てんして包装します。

フリーズドライ
インスタントコーヒー

商品詳細

噴霧乾燥
(スプレードライ製法)

噴霧乾燥
噴霧乾燥

抽出したコーヒー液を、スプレーのように霧状に噴き出し、熱風を当てて30mもの筒の中を落下させて乾燥させます。

造粒化(ぞうりゅうか)
造粒化

一般的なスプレードライ製法に加えて、AGF®では、乾燥したコーヒー粉を砕いて空気を取り除いてから、再びくっつけることで、冷たい水でもすぐに溶けやすくする造粒化という独自の技術を用いて「ブレンディ®」を作っています。

充てん・包装
充てん・包装

出来上がったインスタントコーヒーを、袋やビンなどに充てんして包装します。

スプレードライ
インスタントコーヒー

商品詳細

コーヒーの豆知識
ティースプーン山盛り1杯

おいしいインスタントコーヒーを淹れるには、一般的には、ティースプーン山盛り1杯<約2g>にお湯<140ml>が適量です。

ティースプーンと呼ばれているスプーンを知っていますか?食事用のスプーンよりひとまわり小さいスプーンで、カフェでコーヒーを注文すると、カップのわきにのせられて、私たちとのところに届けられるスプーンと言ったら、分かりやすいかもしれません。

コーヒーを淹れる準備

でも、山盛り1杯にこだわる必要はありません。疲れたときは濃いめ、お菓子と一緒の時は薄めなど、個人の好みやその時々で加減してみてください。インスタントコーヒーは、そのときどきで、好きな濃さに出来るのが、とてもいいところです。

ティースプーン山盛り1杯のインスタントコーヒー

スティックコーヒー
焙煎

コーヒーの生豆(なままめ)を火で煎り、旨味を引き出す作業です。この作業は<焙煎(ばいせん)>、<ロースト>とも呼ばれます。
コーヒー豆は生豆の状態では薄い緑色をしていますが、焙煎することで、私たちが普段目にするような茶褐色のコーヒー豆になります。同時に、焙煎を通じて熱を加えることで、コーヒー豆の持つ美味しさが引き出されます。焙煎の温度や時間によって、その味わいも変化します。

ブレンド

数種類の、異なるコーヒー豆を混ぜ合わせる作業です。異なる味わいのコーヒー豆をブレンドすることで、1種類のコーヒー豆だけでは出すことができない香りや、酸味・苦味などの味わいを作り出すことができます。どのような味わい・香りを作り出すことを目指して、どの豆をどれくらいブレンドしていくかは、コーヒー会社の腕の見せどころです。

グラインド
グラインド

それぞれに焙煎され、ブレンドされたコーヒー豆を、粉砕機で細かく砕く作業です。豆の砕き方にも粗挽(あらびき)、中挽(ちゅうびき)、細挽(ほそびき)など、程度の違いがあり、商品の性格や、狙った味わいに向け、調整します。

抽出
抽出
(ちゅうしゅつ)

細かく砕いたコーヒー豆から、コーヒーの成分を取り出す作業です。砕いたコーヒー豆を抽出機(ちゅうしゅつき)という装置に入れ、熱湯を注ぎ、コーヒー液を作ります。コーヒー液には、砕いたコーヒー豆からコーヒーの成分が溶け出します。

噴霧乾燥
噴霧乾燥
(スプレードライ製法)

濃縮したコーヒー液を、高温の乾燥塔で噴霧し、水分を蒸発させる製法です。乾燥塔の中に霧状にしたコーヒー液を噴霧し、落ちてくる霧状のコーヒー液に熱風を当てることで、下に落ちるまでに水分が蒸発します。

調合
調合

インスタントコーヒーに、クリーミングパウダーや砂糖を混ぜ合わせます。

充てん・包装
充てん・包装

調合したコーヒーを、1本1本スティックに詰めていきます。さらに、スティックを箱に詰めれば、できあがりです。

「ブレンディ®」スティック

商品詳細

「ブレンディ®カフェラトリー®
スティック

商品詳細