コーヒーの木をカタカナで<コーヒーノキ>と書けば、それが正式な日本語名称。アカネ科に属する常緑樹です。コーヒーの木は10メートルもの大きさに育つものもありますが、産地では収穫しやすいよう、2メートル以内で栽培することが多いようです。
コーヒー豆は木の実ですから、花が咲いた後に実ります。コーヒーの花は、コーヒー豆からはちょっと想像できないような、白くて小さな愛らしい花です。5つの花弁があり、ジャスミンのような良い香りがします。作家・林芙美子は「花の命は短くて〜」と書きましたが、コーヒーの花はまさにその通り。
ブラジルの農園では、開花の時期になるとコーヒーの花が一斉に開花し、農園がまるで雪景色のように真っ白に染められます。とても幻想的な光景ですが、その美しさを楽しめるのはわずかな時間。2日後には、まるで雪が溶けるように散ってしまうそうです。
ブラジルに住んでいる人でさえ、どこかの農園で「コーヒーの花が咲いた」と聞けば、すぐに飛行機で飛んでいかないと見逃してしまうといいます。コーヒーの花は、それくらい見るのが難しい花なのです。